
歴史と伝統
1933年、ルイ・ガンベール・デ・ロッシュ氏により設立されたカーヴ・ド・タンは、フランス・北ローヌ地方における協同組合ワイナリーの先駆けです。エルミタージュの丘の麓に位置し、80年以上にわたりこの地域の発展とともに歩んできました。現在では、300人以上の栽培農家とともに、約1,000ヘクタールのブドウ畑を管理し、北ローヌ最大規模を誇る生産者として知られています。
所有畑とテロワール
ワイナリーは、ローヌ川の左岸にあるエルミタージュやクローズ・エルミタージュ、右岸に広がるサン・ジョセフ、コルナス、サン・ペレーといったAOP(原産地統制呼称)5つのクリュにまたがり、豊かな地形と土壌の個性を反映した多彩なワインを生み出しています。
特にエルミタージュでは、22haの自社畑「ドメーヌ・ガンベール・ド・ロッシュ」を所有し、エルミタージュ全体の約4分の1を生産。また、クローズ・エルミタージュのアペラシオンでは、全体の約50%を占めるシェアを誇り、その存在感は圧倒的です。

栽培とサステナビリティ
2002年には、各区画の栽培履歴と作業を詳細に記録するシステム「Vineyard Work Book」を導入し、ブドウの品質管理を徹底。2007年からはGPSマッピング技術も取り入れ、ブドウのトレーサビリティを高め、テロワールごとの管理を強化しています。
また、2010年からはサン・ジョセフ、クローズ・エルミタージュ、エルミタージュ、コルナスの計**40haで有機栽培(オーガニック)**を開始し、現在では全生産量の中でも重要なポジションを占めるに至っています。
醸造技術と品質へのこだわり
醸造施設では、温度管理が可能な最新のステンレスタンクや、伝統を踏襲した小型のコンクリートタンクを活用。ピジャージュ(果帽沈め)も機械化しながら、抽出のタイミングは人の目でしっかり見極めています。
また、2,000樽を超えるフレンチオーク樽を保有し、テロワールや樹齢ごとに最適な熟成を行っています。これにより、タンニンとストラクチャーをしっかり備えた、エレガントかつパワフルなワインが生み出されます。

シラーの聖地、ローヌの象徴
カーヴ・ド・タンが拠点とする北ローヌは、赤ワイン用品種「シラー(Syrah)」の原産地でもあります。この地はシラーの栽培北限にあたり、花崗岩質の土壌と温暖な気候によって、果実味、スパイス香、骨格を兼ね備えた個性豊かなワインが造られます。若いうちは赤系果実とスミレの香りにフレッシュなスパイシーさ、熟成とともに黒系果実やチョコレート、胡椒、動物的ニュアンスが現れるなど、奥行きのある味わいが魅力です。
高い評価と信頼
その品質の高さは世界のワイン専門家からも高く評価されており、2015年にはフランスのワイン協同組合として年間最優秀賞を受賞。
著名ワイン評論家ジャンシス・ロビンソン MWは「フランスで最も優れた協同組合のひとつであり、北ローヌのトップ生産者でもある」と評しています。
また、カーヴ・ド・タンが生産するバルクワインは、北ローヌを代表する有名ドメーヌへも供給されており、その信頼性と安定した品質は業界内でも高く評価されています。
シラーの最高峰であり、その原産地である北ローヌの一流クリュ。エルミタージュ
ユネスコの世界遺産に登録されているエルミタージュの丘は、2000年以上前からブドウを栽培してきました。
このテラス状の段々畑ではすべて手作業で行われ、低い壁が地面を安定させ、 エシャラと呼ばれる伝統的な支柱がブドウの木を導きますカーヴ・ド・タンは、伝統的にわら紐でつるを誘引します。
この美しく、速く、正確に結ぶ手法を習得するには何年もかかります。
エルミタージュの丘は、並外れたテロワールの恩恵を受けています。西は花崗岩、東はギャレと呼ばれる丸玉石の土壌。エルミタージュの丘の上部は最も古い地質で下部との差は数億年におよびます。
この自然の贈り物から、カーヴ ド タンはストラクチャー、バランス、エレガントを兼ね備えたエルミタージュを生み出しています。

生産者 | カーヴ・ド・タン|Cave de Tain |
生産地 | France / Rhone |
URL | https://www.cavedetain.com/en/ |
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